ワンコの長い長い電車の旅

26才の僕の1才のクリスマスプレゼントがワンコだった。

何処に行くのも一緒だった。

3才頃姫路から姫新線に乗った時車内に置き忘れてしまい
目覚めたとき何処にもワンコが居なかった。

僕は大泣あわてて母ちゃんが「大丈夫大丈夫戻ってくるから!」
母ちゃんはまず降りた駅に電話したけど無かった。

岡山行きだったから岡山駅に問い合わせたけど無かった。

姫路駅忘れ物センターに電話したけどやっぱり無かった。

ワンコが僕のとこに来て2年片時も離さなかったからワンコはボロボロで薄汚れてた。

僕は泣いた、心細くて辛くて寂しくてずっと泣いた。

夜10時位だったかな、家の電話が鳴って母ちゃんが
「えっ!あったんですか!?本当に間違いないですか!?」
電話は姫路駅からだった。

僕が座ってた席の次に座った人が岡山駅についたとき駅員さんに届けてくれた。
駅員さんは「こんな汚いぬいぐるみ捨ててあったんじゃないですかね」て呟いた。

その人は「汚れてボロボロになるくらい大切な物なんじゃないですか?きっと探されてると思いますよ」

その言葉に駅員さんは「ああなるほど!じゃあ折り返しの姫路行きに言付けますわ」とまた電車に乗せてくれた。

姫路駅では伝えてた特徴どんぴしゃり!

すぐに電話が来て僕はすぐに迎えにいくとごねた。
母ちゃんはなんとか今夜受け取れないかと一生懸命お願いしてくれた。
対応した人も「大切なものでしょうから特別にいいですよ。窓口は閉まってますから駅員に声をかけてください」
すぐに迎えにいった!
通用口のところで駅員さんが「はい、もう離しちゃだめだよ」て手渡されたワンコはタオルにくるまれてビニールに入ってた。
母ちゃんと泣きながらお礼いった。

僕はものすごく嬉しかった!

母ちゃんが「ワンコこんなに小さいのに遠い旅してきたね」
ワンコの長い長い電車の旅は25年の間にこれ一回きり。
そして今も僕のそばにワンコが居る。