もう数年前の話にはなりますが忘れられない出来事です。
普段とは違う取材仕事があった日でもあり、緊張や不安が拭えなかったので、
お気に入りの帽子と大好きなフモフモさん
『天使ブランのパスケース』(以下、天使ちゃん)
を身に付けて出かけていました。
慣れないながらもハードスケジュールをこなせたのも、天使ちゃんがそばで見守ってくれていたおかげです。
そんな中、帰宅電車の改札通過時天使ちゃんのリールが突然切れました。
それは私の緊張の糸が切れたようなタイミングで、天使ちゃんも長旅お疲れ様という気持ちで右手にずっと持っていました。
乗り換え改札通過の際ついに悲劇は起きました。
天使ちゃんがいない。さっきまで一緒にいたのに。
駅員にすぐ「天使の羽が生えた白いカエル」という特徴もろもろをを必死に伝えました。
あとは連絡待ちとなり、私は乗り換えた電車内で自分に絶望していました。
というのもこの日は落し物は二度目。朝の時点でお気に入りの帽子も実は失くしていました。
だからこそ二度も大切なものを失くす自分に、
情けなさと苛立ちとあまりもの喪失感に襲われ、立っていられないほどでした。
「疲れていた」なんて言い訳が許せるはずもなく。
天使ちゃんが今どこにいて不安になっていないか…
そろそろ最寄り駅に到着するという時、
「みつかったそうなので●●駅まで取りに来れますか」と駅員から連絡が来ました。
もっと具体的に言って下さっていたのに気が動転していて聞き取る事もやっとでした。
急いで引き返し、預かってくれている駅で無事に天使ちゃんと再会することが出来ました。
本当に本当に嬉しくて、帰りの電車内では涙を堪えて大事に家に連れ帰り、一緒に眠りました。
こうして今も一緒に暮らせているのは、拾って駅まで届けてくれた優しい誰かのおかげです。
その人も私にとっては「天使さん」です。
本当に感謝しています。心からありがとう。