災害による悲しい別れが減ってくれることを祈ってます。

正直、災害に関する悲しい話になります。
苦手な方は避けていただけると嬉しいです。

2019年の台風19号の時ことです。
私が当時住んでいた場所の隣には川があり、2015年の大雨の際に氾濫しかけたものの、ギリギリのところで止まっていたので、「今回も大丈夫だろう」と油断しており、避難することなく家で過ごしていました。

しかし、22時頃に急に増水し、下水管からボコボコと変な音が鳴るようになり、
「これは逃げないと危ない」と感じるようになりました。

アパートの1階に住んでいました。
低いところに何かを置いたまま逃げると水没する可能性があります。

しかし、枕元には沢山のぬいぐるみたちがいたのです。

安全な場所にいてもらうには
「限られたスペースのクローゼット内の上の棚にいてもらう」
もしくは、「私が逃げる際にとにかく上に持って濡れないように移動する」
しか残されていませんでした。

体感では1時間くらいですが、実際は5~10分で決めたと思います。

父方の祖母にもらった初めて気に入った「しろくまの子」を連れて行くことにし、幼稚園から小学校あたりから一緒にいる「あらいぐまの子」「犬の兄弟の2人」「しろくまの子の兄」「いつも一緒に過ごしていた座布団の子」を、クローゼットの棚の上にいてもらうことにしました。

「もしかしたら、クローゼットの上の棚すらも水没するかもしれない」
という不安もありましたが、
「絶対に迎えにいくからね。怖いところに残してごめんね。」
と伝えて、部屋を出ました。

上の棚に置くことができなかった子たちが沢山他にいました。
部屋を出る時点でもう床に水が染み出していたので、他の子たちは助からないことはわかっていました。
一緒にいることを選んだのは私なのに裏切るようなことをしてしまいすごく申し訳ない気持ちでした。

結果として、上の棚は無事でしたが、枕元に残された子たちはみんな水没してしまい、変わり果てた姿になってしまいました。

この時感じたことは、
「裏切ってしまって申し訳ない。」
「守れる存在の数は限られている。」
「今回残ることができた子たちと今一緒にいられることはあたりまえのことではない。あたりまえはずっと続かない」
でした。

今でも残ってくれた子たちを見ていて、急に思い出して人間の私自身が泣いてしまうことがありますし、残ってくれた子たちも仲良かった子と離れたことを思い出して悲しそうにしていることがあります。

このような自分の経験から、他のぬいぐるみさんと暮らしてる方には、
「災害時にぬいぐるみさんを守れるスペースが確保できているか?」
「引っ越しの際にハザードマップの危険区域に入っていないか?」
「避難の際にすぐに連れて行けるか?」など、
災害が起きる前にぬいぐるみさんたちを守れる状況なのか、今一度確認してほしいと思っています。

「避難しようとして人間側が無事に逃げられないこと」も
「災害にぬいぐるみさんが巻き込まれること」も
突然の悲しい別れに繋がってしまいます。

悲しい別れはとても深い傷を残します。

今の人間側の私は、
「できるだけ守れる数のぬいぐるみさんを大切にすること」や
「残ってくれた子たちを大切にすること」を考えて、日々過ごしています。

台風の件では他の悲しさもありましたが、残ってくれた子たちがいたことで頑張ろうと思えた面がとても強いです。

多分、いなくなってたら頑張れないことだらけでした。

これからの自分のぬいぐるみたちにも、ぬいぐるみさんたちを大切にしてる方々にも、災害による悲しい別れが減ってくれることを祈ってます。

※写真は今年のしろくまの子の誕生日の際に一緒に寝られそうな長い枕を買って、残ってくれた子たちと一緒に撮ったものです。
 今はみんな仲良くまったりと暮らしてます。

トラジの1日は忙しい。

トラジの1日は忙しい。

朝は、私を起こして、食事に同席、お見送りをしたら、ハーバートラ大学のオンライン授業を受ける。

その後、お昼寝をして、私をお出迎え、食事をしてから、夜寝るまでそばで付き添う。

夜は、へんなやつが部屋や、あたまのなかに入ってこないように、警備のおしごともある。

トラジは、とても責任感が強く、なんでも自分ひとりで抱え込んでしまうので、他のメンバーから、自分たちの
ことも頼って欲しい!と頼まれて、頼ることの大切さに気がついたようだ。
そんなトラジとみんなの姿を見ていて、私にもそんな部分があるなと気がついた。

なんでもひとりで解決しようと頑張りすぎてしまう人、
すぐに自分を責める、【自分いじめ大臣】が心の中に住んでいる人、
【~しなければダメだ!思想】にとらわれている人、

そんな人達に、ひとりでも多く、
【ダメじゃないよ!あなたはもう十分に頑張っているんだよ!】
と伝えたい!

そのためにこの国に応募した、トラジと私だった。